ストーリー

  

「乙女の秘密は、その娘の魅力を綺麗に飾り立ててくれるのよ」

  

本来ならば、館の客人パチュリーによって
避けられていた雨であったが、彼女の不在によって魔法は解け
館の庭先にまで振り続けていた。

  

――レミリア・スカーレットは退屈していた

流れる水を渡れない吸血鬼は、我が庭まで降り注ぐ
忌まわしい雨によって外に出ることさえ叶わなかった。
だから、原因となった友人パチュリーへの仕返しに
図書館の奥の秘密を暴いてやろうと思ったのだった。

  

――十六夜 咲夜は探していた

紅茶の時間になっても部屋に戻らない主を。
やっとの思いで見つけた主は、友人への仕返しを企んでいた。
流されるままに付き合うことになったために、
おかしな騒動に巻き込まれることになるのだった。

  

――パチュリー・ノーレッジは追っていた

自分の住む図書館から、一冊の魔道書を盗み取った二人の魔法使いを。
二人の自宅を捜索していたために、気付くのが遅れた。出遅れた。
友人とその従者は既に、魔法使い達を追っていたのだ。
彼女は悪魔の妹を引き連れ、四人を追って図書館に潜っていった・・・・・・。

  

――フランドール・スカーレットはただ見ていた

姉がふらふらと図書館へ向かっていく様を。
従者が姉の名を呼び探している様を。
魔女が魔法使いを追い、外に出かけていく姿を。
自分も何かしたいと思ったが、特にきっかけは無かったのでやめた。

  

――小悪魔は、守っていた

魔女の主が館を出ている間、
図書館の奥に潜ろうとする不届き者を排除するために。
たとえそれが吸血鬼の悪魔であったとしても
魔女から魔法を習った小悪魔は、決して負けるつもりは無かった。

  

――紅 美鈴は空を見上げていた

紅魔館の門にて、雨が止むのをいまかいまかと待ち続けていた。
兆しが訪れ、雨が止み、龍が降りてくるのを楽しみにしていた。
今年の雨は少し長引きそうだったので、主たちが不機嫌になる前に
知り合いに主たちの遊び相手を依頼したのだった。報酬も用意して。

  

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